ホワイトニングしたいと思っていても、得体のしれない薬剤を使われるのってなんか不安ですよね?
そこで、この記事ではホワイトニングで使われる薬剤、ホワイトニングのメカニズム、ホワイトニングの安全性と注意点についてわかりやすく解説していきます。
「歯を白くしたいけど少し怖いな」と思っている方は、是非この記事から読んでみてください。
目次
ホワイトニングの種類
ホワイトニングとは、広義では『歯を白くすること』です。
しかし、一般的には特に『歯を漂白すること』を指し示して「ホワイトニング」ということもあります。
この、記事では特にホワイトニング=『歯を漂白すること』と定義して、漂白のメカニズムと安全性をお話ししていきます。
ホワイトニングには大別すると3種類あります。
歯科医院に通い専門家によってホワイトニングをしてもらう『オフィスホワイトニング』。
歯科医院から薬液の染み込んだマウスピースを処方してもらい自宅で行う『ホームホワイトニング』。
そして、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する『デュワルホワイトニング』です。
オフィスホワイトニングでも、ホームホワイトニングでもホワイトニングでも歯の漂白メカニズムは同じです。
具体的には、過酸化水素という成分で漂白されます。
(ホームホワイトニンングの成分は過酸化尿素というものですが、歯に塗ると結局、過酸化水素に分解されます)
そこで、次の章では「過酸化水素とは何か?」そして、「過酸化水素がなぜ歯を白くしてくれるのか?」をご説明します。
ただし、それぞれ成分の濃度や使い方に違いがあるため、効果や適した使い方も変わって来ます。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違いについて詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
また、過酸化水素を使わないポリリンホワイトニングというホワイトニングも最近はありますが、ポリリンホワイトニングに関しては別の記事で解説していきます。
ホワイトニングのメカニズム
オフィスホワイトニングもホームホワイトニングもホワイトニングのメカニズム同じで、薬液に含まれている過酸化水素の働きによりホワイトニングを行います。
『過酸化水素』と聞いて、「???」と頭に浮かんだ人もいるのではないでしょうか?
「過酸化水素がなぜホワイトニングしてくれるのか?」をわかりやすく解説していきます。頑張って読んでください。
過酸化水素とは?
過酸化水素は、酸素(O)と水素(H)の化合物です。
過酸化水素の化学式はH2O2。中学理科でも習います。
過酸化水素の漂白剤としての特徴は次の点です。
・お肌と同じ弱酸性
・低濃度なら無害
過酸化水素の特徴は、比較的穏やかな漂白作用を持つこと。
そのため、色柄モノの漂白にも使用でき、色柄モノ用漂白剤などの主成分です。
(真っ白にするための漂白剤は強力な次亜塩素酸ナトリウムという強力な漂白成分が入っています)
弱酸性で安定となるため液性は弱酸性に調整してあります。お肌と同じ弱酸性です。
同じく漂白剤として使われ、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムなどと比較すると、過酸化水素は比較的使い勝手の良い漂白成分であることも特徴です。そのため、髪の脱色剤(ブリーチ)の成分にも使われています。
また、3%に薄めた過酸化水素の水溶液のことをオキシドールと言います。
これは、普段怪我をした時にみなさんが使っている消毒液です。
傷口につけられることからもわかるように過酸化水素は低濃度であれば人にはほとんど害はありません。
なぜ過酸化水素がホワイトニングしてくれるのか?メカニズム
先ほど、『ホワイトニング=歯の漂白』とお話ししましたが、実は歯を漂白するだけでは真っ白な歯は手に入りません。
白い歯は、過酸化水素による2つのメカニズムによりもたらされます。
・マスキング効果
1つ目は漂白作用です。
過酸化水素(H2O2)は、通常は水(H2O)と酸素(O)に分解されやすい性質を持っています。
しかし、口内環境では過酸化水素は、活性酸素の1種であるHO2と水素(H)に分解されます。
活性酸素とは、不安定で非常に反応しやすい酸素化合物のこと。
歯の黄ばみの原因は歯の表面のエナメル質の部分に汚れが付着し、色素が沈着してしまう現象です。
過酸化水素の分解で発生する活性酸素HO2は歯の黄ばみの原因となるエナメル質についた色素に結びつき分解し、無色化してくれます。
しかしこの章で最初にお話した通り、これだけでは白い歯を手に入れることは通常はできません。
理由は、エナメル質が半透明だからです。
歯の表面のエナメル質の内側には象牙質があります。
象牙質はもともと黄色なので、エナメル質の色素を落とし切ったとしても象牙質が透けてしまい黄色く見えてしまうのです。
そこで、過酸化水素にはもう一つ「マスキング効果」という働きもあります。
マスキング効果は過酸化水素がエナメル質の表層を球状に構造変化させ、光を反射させる構造にすることで内側の象牙質が見えなくなりさらに白く見えるようになるのです。
このように過酸化水素の「漂白効果」と「マスキング効果」の2つの作用により歯を白くしています。
ホワイトニング成分の過酸化水素って安全なの?
過酸化水素がホワイトニング効果があることもわかったし、普段私たちが使っている消毒液や髪の脱色剤の成分で比較的刺激が少ない漂白成分であることをお話ししました。
しかし、それでも口の中に入れるのは怖いですよね。
そこで、ホワイトニングの注意点や安全性についてここでお話します。
オフィスホワイトニングの場合は35%以下の濃度に抑えてあります。
これでもまだ濃度としては高いですが、オフィスホワイトニングでは歯科医や歯科衛生士がしっかりとリスクを管理しながら治療を行ってくれるので安心です。
一方、自宅で行うホームホワイトニングの場合でも、事前に歯科医の方で薬液を調整して準備してくれているので安心です。
過酸化水素の濃度はオフィスホワイトニングの時よりもさらに低く、通常は10%以下程度の濃度に抑えられています。
濃度が薄いぶん、白くなるのに時間がかかります。
このようにホワイトニングの薬剤は専門家の手によりしっかりと調整・管理されています。
ただし、注意点もあります。
妊娠中・授乳中の方
妊娠中・授乳中の方は赤ちゃんや母体への影響があるのかないのかはっきりとわかっていません。
ですので、ホワイトニングは受けられないと考えたほうがいいでしょう。
歯に亀裂がある方・知覚過敏の方
過酸化水素は基本的に痛みはありません。
しかし、歯に亀裂がある方や重度の知覚過敏の方は薬液が染みることもあるため予め医師に相談するようにしましょう・
エナメル質が薄い方
また、日本人をはじめとする黄色人種は歯のエナメル質が薄い傾向にあるため、薬液が染みることがあります。
日本で受けるホワイトニングであれば日本人に合わせた薬剤でホワイトニングを行ってくれるため安心ですが、海外性のホワイトニング剤を個人で取り寄せて使用する場合には注意が必要です。
また、海外製のホワイトニング剤には、日本で認可されていないホワイトニング剤が含まれている場合もありますので、薬剤の成分を把握できない時には海外製のホワイトニング剤の使用は控えましょう。
何れにしても、しっかりと医師と相談した上でホワイトニングを行うことが安全のためには重要です。
まとめ
ここまで、ホワイトニングのメカニズムと注意点を解説して来ました。
ホワイトニングは歯科で専門家に安全を確認してもらいながら行うオフィスホワイトニングか、専門家に予め調剤しておいてもらうホームホワイトニングがおすすめです。
特にオフィスホワイトニングであれば自分の歯や体の状態に合わせてホワイトニングの可否を判断してくれます。
海外の製品などは刺激が強すぎて日本人の歯には合わない時もあるので気をつけましょう。
また、すぐに効果を確認したい場合はオフィスホワイトニングがおすすめです。
一度オフィスホワイトニングで効果を確認してみて「今後も続けたい」と思ったらホームホワイトニングをやってみてはいかがでしょうか?
オフィスホワイトニングは高いイメージもあるかもしれませんが、最近は¥5,000以下で受けられる低価格のオフィスホワイトニングもあります。
低価格でも、しっかりと専門家が診てくれるため安全・安心です。
低価格のオフィスホワイトニングに興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。
>【¥5000以下】料金で選ぶ!歯科医院で受けるオフィスホワイトニング【圧倒的に安い】
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参考1:アパガード『歯の事典 オーラルペディア』
参考2:山形屋歯科 坂上医院
参考3:松尾 涼子et al. 2014 年 57 巻 2 号 p. 145-153 ,Optical Coherence Tomographyによるホワイトニング前後のエナメル質観察