減塩生活に欠かせない調味料の1つ「減塩塩」。
減塩塩にもいくつか商品の種類がありますが、その違い知っていますか?
減塩塩といえば、一般的に「50%減塩」という減塩率の商品がほとんどです。
「じゃあ、どの商品でも同じなのか?」というと実は違いがあります。
そこで、この記事では、「減塩塩の各商品の違い」と「おすすめの減塩塩」を紹介いたします。
減塩中の方は、自分にあった減塩塩を選ぶためにも是非、この記事を読んで見てください。
目次
減塩塩の主要商品
ここではまず、世の中にどのような減塩塩の商品があるのか、減塩塩の主要商品を紹介します。
と言っても、減塩塩の主要商品は主に3つです。
そこで、以下3つの減塩塩主要商品について簡単にその紹介をまずはします。
そして、次の章でこれら減塩塩のそれぞれ違いを詳細に紹介します。
・減塩習慣
・ウレシオ
『やさしお』 / 味の素
『やさしお』は味の素が発売しいる食塩相当量50%カットの減塩塩です。
50%減塩されながらも、塩味は通常の食塩とほぼ変わりません。
そのため、使うときには通常の食塩と同じように使用できます。
どうやって減塩できているかというと、食塩(塩化ナトリウム)に含まれるナトリウムを、カリウムに置き換えることで減塩しています。
カリウムは野菜や果物に多く含まれている成分で、ナトリウムを体外に排出するのを助ける働きもします。
原材料名を次に示します。
また、ポリグルタミン酸はカルシウムをはじめとしたミネラル吸収促進機能があり、サプリメントなどに使われることもある成分です。
『減塩習慣』
『減塩習慣』は、製薬会社である大正製薬が発売している減塩塩です。
やさしおと同様に、通常の食塩と味はほぼ変わらず、それでいて食塩相当量50%カット。
また、減塩の方式もやさしおと同じで食塩(塩化ナトリウム)の半分を塩化カリウムに置き換えることで減塩しています。
原材料名を次に示します。
リン酸3カルシウムは一般的に、食品類の固結防止剤として使われる食品添加物です。
また、クエン酸には一般に、旨味を高める作用があるそうですが、そう言った効果を期待して含有しているのかは定かではありません。
『ウレシオ』
『ウレシオ』はポッカサッポロが発売している減塩塩で、正式には『レモンのおかげ ウレシオ』という商品名です。
やさしおや減塩習慣と違い、塩化カリウム不使用で食塩相当量50%カットされています。
赤穂産の塩とレモンパウダーを使用することで、少ない食塩量でもレモンの酸味で塩の塩味を際立たせています。
また、アミノ酸などの旨味成分も成分として含まれ、レモンパウダーやクエン酸は旨味成分を引き立てる効果もあると考えられます。
【詳細比較】減塩塩の違い
ここでは、減塩塩の3つの主要商品違いについて詳細に比較・解説します。
同じ「50%減塩」と銘打っている商品ですが、実は比べてみると面白い違いがあります。
原材料から見る減塩塩の違い
下記の表は、各社の減塩塩の原材料を抜粋し、比較した表になります。
<塩化カリウムに関して>
やさしおと減塩習慣には、塩化カリウムが含まれています。
なぜなら先述したように食塩(塩化ナトリウム)の約半分を塩化カリウムに置き換えることで食塩相当量50%カットを実現しているからです。
やさしおでは『無機塩など』という記述が原材料の所にありますが、これが塩化カリウムに該当します。
一方でウレシオには塩化カリウムは含まれません。
<うま味成分に関して>
各社の減塩塩にはうま味成分やうま味を引き立たせる効果のある成分が原材料に含まれているようです。
やさしおでは、うま味成分としてグルタミン酸カルシウムやポリグルタミン酸。
減塩習慣に含まれる、クエン酸にはうま味成分を引き立てる効果があります。しかし、これに関してはそのような意図で含有しているのかは不明です。
ウレシオには、『調味料(アミノ酸等)』という記述があります。このアミノ酸=うま味成分だと考えられます。また、レモンパウダーやクエン酸には、うま味を引き出す効果が期待されます。
各社上手にうま味を活かして少ない食塩量でも美味しい減塩塩を調合していることがわかります。
<その他特徴的な原材料 「乳糖」に関して>
ウレシオでは、乳糖が含まれています。
乳糖は、嵩増し(かさまし)のために入れられている可能性があります。また、乳糖には有用な腸内細菌の発育を盛んにする効果もあるそうです。
有用な腸内細菌の発育を盛んにして腸の作用を調整し、多量に服用しても胃粘膜を刺激することが少ないため、薬の嵩を増やして飲みやすくします。
<塩の産地>
ちなみに、原材料に直接書かれてはいませんが塩の産地は全て瀬戸内海です。
やさしお:瀬戸内海
減塩習慣:瀬戸内海
ウレシオ:赤穂(瀬戸内海の一部)
原材料の食塩部分に関しては、全て国内産で安心できます。
栄養成分表示から見る減塩塩の違い
次にもう少しミクロな視点で「栄養」という観点で比較します。
下記の表は、各社の減塩塩の栄養成分表示の一部を抜粋し、比較した表になります。
<減塩率に関して>
各社共に「食塩相当量50%カット」と銘打っています。
しかし、実は各社の提示する食塩相当量には微妙に差があることがわかります。
各社が提示する100gあたりの栄養成分表示における食塩相当量は、
やさしお:46.0g
減塩習慣:48.0g
ウレシオ:44.9g
このように、最も減塩されている減塩塩はウレシオです。
しかし、3%程度の差しかないため減塩率はほとんど同じと言っても良いでしょう。
<カリウム量に関して>
やさしおと減塩習慣の減塩方式は、「塩化ナトリウムの半分を塩化カリウムに置き換える」という方式です。
そのため、やさしおと減塩習慣にはカリウムが多く含まれています。
一方で、ウレシオにはカリウムは含まれていません。
カリウムはナトリウムを体外に排出するのを助ける働きがあります。
一方で、腎臓病を持つ人の中にはカリウムの制限が必要な方もいます。カリウムの制限が必要な方は注意が必要になってきます。
<カロリー、炭水化物に関して>
基本的に、減塩塩にhqほとんどカロリーは含まれません。
しかし、ウレシオは比較的高い炭水化物量、カロリーを示します。
これは、原材料として乳糖などが含まれるためであると考えられます。
「比較的高いカロリー」とは言っても、減塩塩は多量に使うわけではないためあまり気にする必要はないでしょう。
<味に関して>
やさしおや減塩習慣は、通常の食塩と同様に使うことができ塩味もほぼ変わりません。
一方、ウレシオは少量のレモンパウダーやクエン酸が含まれており通常の塩よりは酸味が効いた味となっています。
おすすめの減塩塩
ここまで、3つの主要減塩塩の商品を比較、紹介してきました。
最後に、おすすめの減塩塩を紹介します。
私のおすすめの減塩塩はズバリ「やさしお」です。
理由としては以下のポイントがあります。
・通常の食塩とほぼ変わらない味
・スーパーで比較的簡単に入手できる
特に、3点目の「スーパーで比較的簡単に入手できる」という点に関しては、他の「減塩習慣」や「ウレシオ」よりもスーパーでよく見かけます。「購入しやすく使い続けやすい」というのは減塩を継続することに関して、アドバンテージになります。
一方で、カリウム制限のある方には「ウレシオ」もおすすめです。
「やさしお」や「減塩習慣」にはカリウムも多く含まれるます。
一方で、ウレシオはカリウム不使用で食塩相当量50%カットを達成しています。
塩分制限に加えてカリウム制限がある方には「ウレシオ」をおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お役に立ちましたら、SNS共有・ブックマークなどお願いします。
参考:味の素 - やさしお
参考:大正製薬 - 減塩習慣
参考:ポッカサッポロ フード&ビバレッジ - ウレシオ
参考:ADPKD.JP