全生物の中で最も大きいの動物「クジラ」。
『地球上最大』の称号は伊達ではありません!
クジラの生態の圧倒的なスケールには驚かされます。
そのスケールは圧倒的過ぎていまいちピンと来ないほど。
圧倒的過ぎていまいち想像しにくいクジラの凄さを、
今回は例えや比較をしながらわかりやすく紹介していきます。
動物好きな方、
雑学が好きな方、
クジラの面白い生態に興味がある方は是非見ていってください!
目次
クジラの圧倒的なスケールの生態
陸上で生活している我々には普段見ることのできないクジラ。
クジラ自体は誰もが知っている動物ですが、意外とその生態や数字は知らないと思います。
ここでは意外と知らないクジラの驚きの生態をそれがどれくらいすごいのかを例えや比較を交えながらわかりやすく紹介していきます。
【体長】ガスタンクと同じくらいの大きさ
クジラといえば地球上最大の動物。
その中でも最も大きいのはシロナガスクジラと言われる種類のクジラです。
シロナガスクジラの体長は平均で25m〜26mほど。
車で走っていると時々見える、丸い大きなガスタンクとほぼ同じサイズです。
身長170cmの人間でいうと15人分くらい。
しかも、シロナガスクジラで確認されているサイズは最大で34m。
これは11階建のビルの大きさに相当します。
あなたのマンションは何階建てですか?
試しに、窓から外をのぞいて見てください。
クジラが陸上に立っていたらそれよりも大きいのですよ。
参考:クジラに会おう.jp
参考: シロナガスクジラ/フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【歯】歯だけで50kg
クジラの中には歯の総重量がおよそ50kgもある種類もいます。
「クジラに歯?」と思うかもしれませんが、クジラにも歯がある種類がいます。
クジラはヒゲクジラ(髭)とハクジラ(歯)という2種類。
ハクジラの中でも、マッコウクジラの歯は1本が1kgもの重量を持っていると言われています。
しかも、下あごに左右で20-26対の歯をそれぞれ持っているため歯だけでも総重量52kg近くになるのです。
下顎(したあご)に20-26対の円錐形の歯を有する。それぞれの歯は約1kgもの重量を持っている。
人間の歯が1本40gと言われているので、マッコウクジラの歯は人間の歯の250倍の重量です。
歯でいうと250人分の人間がいてやっとマッコウクジラ1頭分なんですね。
参考:出典: マッコウクジラ/フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
参考:吉祥寺通り歯科クリニック
【食事】年間漁獲量の3~6倍
世界の海洋でクジラが食べる年間の食物量は2.8億〜5.0億トンと推定されています。
これは世界中の漁獲量(1994年:約8,400万トン)の約3~6倍にも相当します。
特にホッキョククジラは一日2トン、シロナガスクジラは1日3.6トンもの食事をすると言われています。
人が1日に1.2〜1.5kgくらい食事をするするとすると、クジラは2400倍〜3000倍というところ。
さらに驚きなのがマッコウクジラ。
マッコウクジラが1日に食べる量は900kg(推定)と、ホッキョククジラやシロナガスクジラよりは少なめ。
しかし、地球上の全てのマッコウクジラが食べるエサの量は9千万トン〜2億2千8百万トンとも推計されています。
そのほとんどはイカであると考えられ、これは世界のイカの漁獲量の30倍以上であると言われています。
最もイカを食べている動物は人間ではなくマッコウクジラなのです。
世界中の海に存在するクジラは基本的には食物連鎖の最上位に存在します。
そのため、これだけ食べるクジラは生態系を崩すリスクもあるとしてクジラの食事の量は注目されています。
参考:一般財団法人 日本鯨類研究所
参考:weblio辞典
参考:ailovei
【子育て】一時間で3.6kg増のペース
シロナガスクジラの赤ちゃんの大きさは7~8m、体重2~2.7tほどの重さ。
6畳1Kの一人暮らし部屋なら軽くあふれちゃいます。
赤ちゃんの授乳期間は7~8か月ほど。
その間、シロナガスクジラの赤ちゃんは毎日380~570Lもの母乳を飲みます。
飲む赤ちゃんクジラもすごいですが、母乳を毎日500L以上も作り出す母クジラもすごいですよね。
人間の赤ちゃんが1日500ml〜1200ml飲むとすると、およそ300倍~1100倍。
母乳はかなり高カロリーで1kgあたり4370calを含んでいるそうです。
そのため、シロナガスクジラの赤ちゃんはえげつないペースで成長します。
・1日3.8cmの体長増(1か月で1m)
母乳の量も、成長ペースも圧倒的です。
親子ともどもほんとにすごいですね。
参考:クジラの生態にせまる
参考:medela
【脳】地球上全生物で最大・最重量
外観の特徴として、体の1/3を占める大きな頭部があるマッコウクジラ。
マッコウクジラの脳は地球上全生物で最大・最重量だと言われています。
その頭部の中には7kg(全体中の0.15%ほど)もの脳が詰まっており、これは全生物の中で最大・最重量です。
一方で、人間の成人の脳は1.35kg~1.5kgであり、全体中の2%程度で、人間の5倍前後。
体重に占める比率としては大きくはありませんが、その重量は堂々のNo.1です。
参考:出典: マッコウクジラ/フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
参考:東洋経済
【心臓】1回の拍動でお風呂満杯1杯分を送り出す
シロナガスクジラの心臓は地球上全生物の中で最大の大きさである。
シロナガスクジラの心臓は重さで200kgもほどもあり、サイズ的には大人が二人も入れるくらいのサイズである。
もちろん血管も太く、血管も人が泳いで通れるくらいの太さです。
地球上最大の心臓が一回の拍動で送り出す血液の量は200L!
これは満杯のお風呂すり切り1杯程度の量。
人間は1分間で60回拍動し、その60回の拍動で5Lの血液を送っているため1回あたり0.8L。
クジラは一回の拍動で人間の2400倍の量の血液を送り出しています。
ただし拍動の数は人間よりも少なく海水面付近では35回/分程度で、潜水時には2回/分程度まで下がります。
【潜水能力】生涯の2/3を深海で過ごす
クジラの中でもマッコウクジラの潜水能力がずば抜けています。
通常のクジラの潜水深さが200m〜300m程度であるのに対して、
マッコウクジラは深さでいうと3000m、潜水時間でいうと90分間もの潜水できます。
人間の場合はギネス記録で122m(4分24秒)です。
クジラの潜水時間は人間の約200倍以上ですね。
また、その生涯の2/3を深海で過ごすとも言われています。
もちろん水中で呼吸できるというわけではありません。もうエラ呼吸したほうがいい。
それでは、なぜマッコウクジラは深く長く潜っていられるのか?
それは、マッコウクジラの筋肉にはミオグロビンというタンパク質が大量に含まれているからなのです。
ミオグロビンは筋肉にあって、酸素を必要な時まで貯蔵しておけるという特徴があります。
もちろん人間の筋肉にもミオグロビンは含まれていますが、クジラやイルカなど潜水を得意とする哺乳類の仲間には特に多く含まれています。
マッコウクジラの他にも潜水の得意なクジラはいます。
アカボウクジラです。
アカボウクジラは生態がまだまだ謎のクジラですが、マッコウクジラが90分程度の潜水時間なのに比べてアカボウクジラは138分も潜水していたという記録があります。
また別のアカボウクジラの個体ですが2992mも潜ったという記録があり、これはマッコウクジラに匹敵する潜水深さです。
参考:ナショナルジオグラフィック
参考:CNN
【移動量】1年間で地球1周?
米オレゴン州立大学の研究によると、あるメスのコククジラ(バーバラ)が172日間で2万2500kmを移動したことが発表されました(2015年の調査)。
バーバラはロシアのサハリン島付近から太平洋を横断し、米西海岸沿岸を経てメキシコのバハにたどり着いていたということです。
この距離は哺乳類としては断トツの最長距離となっています。
このデータから類推すると、移動距離は1日130km。
1年間では4万5000km移動することになります。
地球1周で約4万kmなので、コククジラのバーバラは1年間で地球を1周以上している計算になります。
鳥のように飛べるわけでもないのにこの移動距離は陸上の哺乳類にはとても考えられませんね。
少なくとも人間には体力的に無理です。
ちなみにこれまでのギネス記録はザトウクジラが移動した1万6400km。
クジラの移動量は哺乳類の中ではダントツなのです。
参考:NATIONAL GEOGRAPHIC
参考:CNN
【海最強】メガロドンを絶滅に追い込んだ?
武器を使う人間を例外にすると自然界での天敵は存在しない
このように形容されるのはシャチ。
シャチはクジラの仲間で、体調5.8m〜6.7m程度。
シャチは海における生態系の頂点にいます。
つまり、シャチにとって海にいる生き物は食べ放題です。
シャチは、
魚類(魚、イカ)、鳥類(海鳥、ペンギン)、哺乳類(アザラシ、アシカ、イルカ)。
さらには、サメ、クジラ、ホッキョクグマまで捕食することがあります。
まさに無敵!生態系の頂点です!
しかも驚くことに古代の超巨大なサメ『メガロドン』。
メガロドンは150万年前に絶滅してしまいました。
このメガロドンの絶滅の原因はシャチにより生存競争に負けたからだという説があります。
直接戦って買ったわけではありませんが、餌をシャチが独占してしまうためメガロドンは生きていけなくなったと考えられています。
150万年前から生存競争に勝ち残り、
現在でもその表面積のほとんどを水が占める地球で海洋系の生態系の頂点に立っているとか控えめに言って最強です。
でもパンダみたいで可愛い。
参考:シャチ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【寿命】哺乳類では最長
ホッキョククジラは哺乳類で最長の寿命を誇ります。
ホッキョククジラの寿命は150歳〜200歳生きている個体が複数確認されています。
通常のクジラの寿命は70歳〜80歳と言われているため、これはクジラの中でもダントツ。
哺乳類では最長の寿命で、長寿のイメージがあるガラパゴスゾウガメの倍も生きるのです。
なぜ、ホッキョククジラがこんなにも長寿なのか?
詳しいことはわかってはいないのですが、体温が関係しているのではないか?と考えられています。
ホッキョククジラは名前の通り、北極の周辺に生息しているクジラです。
寒い海にいるためホッキョククジラの体温も極端に低いことで知られています。
動物は一般に体温が低いほど長生きしやすいと考えられており、この体温の低さが長寿の秘密に関わっているのではないかと考えられています。
参考:SANKEI BIZ × SANKEI EXPRESS
【鯨骨生物群集】死骸は秘密基地になる
鯨骨生物群集とは、クジラの死骸を中心に形成される生物の集まりのことである。
つまり、クジラの死骸は海にすむ生き物の街のようになっているということです。
秘密基地みたいですね(ワクワク←)
クジラは脂肪を多量に含んでいるため、この脂肪を元にして細菌や軟体動物などが独自の生態系をつくっています。
沈没船に魚が住み着いているようなものです。
例えば、2013年にブラジル沖サンパウロ海嶺では潜航調査においては世界最深となる水深4204mの海底で鯨骨生物群集が発見されています。その鯨骨生物群集では、少なくとも41種のたような生物が発見され、観察レベルの検討からそれらのほとんどが初めて見つかった新種である可能性が高く、いくつかは遺伝子レベルの検討においても新種であることが判明しています。
ちなみに自然死による鯨骨生物群集としては世界で8例目だそうです。
巨体な体は死して尚、周囲の生物に影響を与え続けているのですね。
なんかディストピア感があってエモいイメージしてしまいます。
参考:鯨骨生物群集 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
参考:livedoor news
結論:ホエールウォッチングに行ってみたい
いかがでしたでしょうか?
クジラはの生態はとにかくなんでも圧倒的!
例えば、
・体長は人間の15倍
・歯の重さは人間の250倍
・食べる量は2400倍〜3000倍
・飲む母乳の量はおよそ300倍~1100倍。
・脳の重さは人間の5倍程度
・心臓が一回の拍動で送り出す血液量は人間の2400倍
・潜水時間は200倍以上
・寿命は長い場合で人間の2倍程度
・etc.
挙句の果てには、死骸は生物の住処になるなどスケールが本当に違う。
機会があれば、是非生のクジラを見てみてください!
きっと、記事で見るだけでは感じられない大きなパワーを感じ取ることが出来ると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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