おすすめ

メントスコーラ

『メントスコーラ』という実験をご存知でしょうか?数多のYoutuberが動画にしており、説明はもう要らないと思います。

 

エンターテイメントというイメージが強いと思ますが、実は今でも研究されている立派な研究対象なのです。

 

今回はメントスコーラのメカニズムを(ちょっとだけ)アカデミックにご説明していきます。

スポンサーリンク

メントスコーラとは

メントスコーラとは、コーラにメントスを入れると間欠泉のようにコーラが吹き出す『現象』のことです。

 

"百聞は一見に如かず"ということで動画を見てみましょう。

 

動画で東大生がメントスコーラに挑戦し、メカニズムに言及しているところがあります。しかし、具体的な説明はありません。そこでこの記事でアカデミックにもう少し詳しくメントスコーラのメカニズムを説明します

1.【初めに】炭酸水と表面張力について

炭酸飲料の作り方

メントスコーラ現象は、コーラの"炭酸"に起因していることは何となく創造がつくと思います。そこで、まずは"炭酸水"がどう作られるのかを知る必要があります。

 

"炭酸水"は水に二酸化炭素を溶かしたものと言うことは既にご存知かもしれません。しかし、二酸化炭素が含まれる吐息を水に吹きかけても炭酸水にはなりませんよね?

 

理由は水の常温常圧時の二酸化炭素飽和溶解度が低いからなのです。このことは『ヘンリーの法則』により説明されます。以下にヘンリーの法則の一部を記載しますが、難しく言葉が分かりにくいので読まなくて結構です。ヘンリーの法則を誤解を恐れずにざっくりまとめると『"圧力p"をかければ気体は水に溶けるよ!』ということです。

 

「揮発性の溶質を含む希薄溶液が気相と平衡にあるときには、気相内の溶質の分圧pは溶液中の濃度cに比例する」

 

逆に言うと炭酸水を作るには水に"圧力"をかければいいのです

炭酸と表面張力

では、これがメントスコーラとどう繋がるのか?

 

先ほど、『二酸化炭素は常温常圧では水に溶けにくい』と言いました。

 

逆から言い換えると、水に溶解している二酸化炭素は不安定で、常に水から脱出したがっているのです。

 

ではなぜ脱出できないかというと、水の"表面張力"が二酸化炭素を押しつぶし、抜けるのを妨げているのです。(図1

炭酸水

図1:表面張力により炭酸が押さえ付けられている(イメージ)

 

この表面張力を抑制し二酸化炭素が脱出できる手助けをするものが"メントス"ということです。

メントス

2.【解説】メントスコーラのメカニズム

メントスは以下の二つの効果により、炭酸ガスの脱出を促進してくれるのです。

  1. 形状効果
  2. 界面活性剤

マイクロスケールの『形状効果』

メントスコーラ発生原因の一つにメントスの表面形状が寄与していると言う研究があります。

 

図2にメントス表面の模式図を示します。メントス表面にはマイクロスケールの凹凸(高さ100nm、幅約1μm)が無数にあり、メントス1粒につき4.93×108もあるそうです。実際に走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を図3に示します。([1]の研究より)

図2:ソフトキャンディー表面模式図 中村和吉・信田理恵(出展[1])  図3:ソフトキャンディー表面の走査型電子顕微鏡像(左:1000倍,右:5000倍) 中村和吉・信田理恵(出展:[1])

この凹凸が水の表面張力の影響を低下させてくれるのです。

 

なぜかと言うと、図4に示すように360°水に囲まれている状態だと自ら受ける表面張力が大きくなりますが、凹凸に接触することより、その分、水との接触面積が減少し、水の表面張力の影響が小さくなるからなのです。その結果、炭酸ガスは凹凸の間に気泡を作ることができます。

 

形状効果による気泡の生成

図4:形状効果による気泡の生成

 

身近な現象では、お風呂のお湯に入ると皮膚表面に細かい泡がつくという経験をしたことがあると思いますが、それも同じ理由です。

表面張力低下のお風呂の例

表面張力を低下させる『界面活性剤』

メントスにはさらに表面張力の影響を小さくする手段があります。

 

それが、メントスの成分に含まれる界面活性剤です。

 

界面活性剤は、広義には「物質の界面(物質の境の面)に作用して、その性質を変化させる物質の総称」のことで、『界面の性質の変化』に『表面張力の低下』といった効果があります。

 

なぜ、界面活性剤が表面張力を低下させるのか?界面活性剤は『水に馴染む親水基』と『水を弾く疎水基の二つの構造を持っているからなのです。すると、図5に示すように水と空気の境目や、水と油の境目のような境目(界面)に吸着し、二つの物質を馴染ませます。これが表面張力を低下させるのです。

 

界面活性剤とは

図5:界面活性剤は、弾き合うはずの水と空気を繋ぎ止め馴染ませる

 

メントスに含まれる成分("ゼラチン"や"アラビアガム"など)が水に溶けると、界面活性剤の役割を果たし、表面張力を低下させるのです。その結果、二酸化炭素が逃げ出しやすい状態になるのです。(図6)

 

界面活性剤による表面張力の低下

図6:界面活性剤による表面張力の低下

 

他にも、コカコーラゼロに人工甘味料『アスパルテーム』が含まれており、これが界面活性剤として働きます。
そのため、コカコーラゼロはコカコーラに比べて吹き出し量が高くなります。

その他の要因

実は、表面張力を小さくする方法は他にもあります。例えば、"振ったり"、"かき混ぜたり"する行為です。

 

炭酸飲料って振ると炭酸が暴発して抜けてしまいますよね?これが、表面張力が低下し、二酸化炭素が抜けやすくなっているからなのです。例えば、次のような時を考えてみてください。

 

  • バーテンダーがお酒を混ぜてカクテルを作るとき
  • 水分と油が分離しているドレッシングかける前

 

これも"振る"という行為により表面張力を小さくし異なる二つ以上のの物質を馴染ませるためだったのです。

バーテンダーも表面張力を下げている

バーテンダーも表面張力を下げている

3.【結論】どうしてメントスコーラは発生するのか?

さて、説明は以上になりますが、なんとなく説明できるようになったでしょうか?メントスコーラも科学的に説明できるとなんか頭良さそうですよね!科学って面白い!

 

最後に結論をまとめて終わりにします!

 

結論:どうしてメントスコーラ現象は発生するのか?
メントスは『表面の微細な凹凸形状』『界面活性剤の効果』により急激に表面張力を低下させ、コーラ中の炭酸ガスの気泡が発生するためメントスコーラが発生する。

以上

 

最後までお読みいただきありがとうございました。
面白いと思っていただけたらSNS共有・ブックマーク等お願いします!

《参考》
[1]ソフトキャンディーと炭酸飲料共存下における急速発泡現象の解明 中村和吉,信田 理恵 

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事