最近、よく聞く『ポリリン酸ホワイトニング』
「特許技術」「痛みがない」「低価格」などいいことばかり謳っています。
でもその中には、あたかも「ポリリン酸のホワイトニング効果がすごい!」といいたような、勘違いさせてしまうような広告も存在します。
そこで、この記事ではポリリン酸ホワイトニングの効果や従来のホワイトニングとの違いを正しく解説し、正しい知識をお伝えします。
正しい知識を持っていなければポリリン酸ホワイトニング のメリットを最大限に活用はできません。
ホワイトニングに興味がある方は、ここで正しいポリリン酸ホワイトニングの知識を身に付けて行ってください。
目次
ポリリン酸とは?【少しだけ化学のお話】
ポリリン酸ホワイトニングの特徴はもちろん『ポリリン酸』という成分にあります。
『ポリリン酸』って可愛い名前ですが、あまり聞いたことないですよね。
ポリリン酸についてわかりやすく解説します。
少し化学っぽい話をします。
化学系の方以外にもわかるようにお伝えしますが、大変な方は飛ばして続きを読んでください。
ポリリン酸ホワイトニングのポリリン酸とは『分割ポリリン酸Na』のことを指します。
長い物質名ですが、区切って考えるとすっきりします。
区切りは『分割 / ポリ / リン酸Na』です。
『分割 / ポリ / リン酸Na』
分割ポリリン酸Naの主要な構造は「リン酸Na」です。
「リン酸Na」とは、リン酸(PO4)のナトリウム塩のことです。
このリン酸Naは食品、化粧品、医薬品などいろいろなところで使われている物質です。
水の中で、電解する性質をもっています。
『分割 / ポリ / リン酸Na』
「ポリ」とは、ある物質がたくさん繋がった状態のことを指します。
”ポリ”エステルや”ポリ”エチレンのポリと同じ意味です。
ポリエチレンは、エステルがたくさん繋がった状態。
ポリエチレンは、エチレンがたくさん繋がった状態です。
つまり、
ポリリン酸Naとは、リン酸Naがたくさん繋がった物質のことです。
『分割 / ポリ / リン酸Na』
そのポリの前に「分割」とついています。
「分割」とは、そのままの意味です。
分割ポリリン酸Naとは、ポリリン酸Naを分割したものです。
ポリリン酸の正体はリン酸Naがたくさんつながった物質を分割したものであるということが分かりましたが、ポリリン酸がどのような働きを示すのかをこの後説明します。
ポリリン酸の効果
それでは、ポリリン酸はホワイトニングにおいてどのような効果を示すのでしょうか?
結論から言うと、ポリリン酸だけではホワイトニング効果は十分ではありません。
その理由とポリリン酸をホワイトニングで使うメリットを説明します。
ポリリン酸にホワイトニング効果はない!?
実は、ポリリン酸だけではホワイトニング効果が十分発揮できるかというとそうではないのです。
ホワイトニングとは広義には『歯を白くすること』です。
しかし、実は歯の汚れを落とすだけでは完全には白くなりません。
理由は、歯の表面の汚れを落としたとしても染み付いた色素までは落ちきらないからです。
また、歯の内側の黄色っぽい象牙質が歯の外側に透けてしまうため歯をどれだけ綺麗にしても完璧な白さは手に入りません。
そこで歯を白くするには、基本的には3つの要素が必要です。
・漂白
・マスキング
「クリーニング」とは、汚れを落とすこと。
「漂白」とは、色素を分解して無色化すること。
「マスキング」とは、歯の内側にある象牙質(黄色っぽい色)を見えないようにすることです。
通常のオフィスホワイトニングでは、
清掃剤で「クリーニング」を行なった後に、「過酸化水素」という成分で「漂白」と「マスキング」を行います。
一方でポリリン酸には、「漂白」と「マスキング」の効果はなく、ポリリン酸にあるのは主に「クリーニング」効果のみです。
ポリリン酸は、歯の表面に付着したステインに付着し、ステインの原因となる汚れを浮き剥がし、表面をクリーニングします。
つまり、ポリリン酸だけでは「ホワイトニング効果」は不十分なのです。
そのためポリリン酸ホワイトニングでは、ポリリン酸の他に「過酸化水素」という一般的にホワイトニング剤で使用されるホワイトニング成分を一緒に使い、「漂白」と「マスキング」の効果を担っています。
ただし、過酸化水素は刺激の強い薬剤なので扱えるのは歯科衛生士や歯科医のみと法律で決まっています。
過酸化水素のホワイトニング効果について知りたい方には、こちらの記事を読んでみてください。
ポリリン酸のメリットは?
「じゃあ、ポリリン酸ホワイトニングって従来のホワイトニングと変わらないの?」と懸念してしまいます。
しかし、「ポリリン酸」の使用にはメリットがちゃんとあるのです。
ポリリン酸の効果は主に2つ。
・歯を傷つけずに「クリーニング」できること
・歯の表面を「コーティング」で保護できること
です。
ポリリン酸はこの2つの効果によりホワイトニングにおいて大切なメリットを生み出すことができます。
歯を傷つけないクリーニング
先述したように、ポリリン酸は、歯の表面に付着したステインに付着し、ステインの原因となる汚れを浮き剥がし、表面をクリーニングします。
通常は、汚れを除去する際には、研磨剤などが入った清掃剤を使用することがあります。
しかし、研磨剤を使用すると歯の表面を傷つけてしまうことがあります。
しかし、ポリリン酸の場合は歯の表面を傷つけることなく黄ばみの原因となるヤニや汚れを落とすことができます。
このように、歯に傷をつけにくいことはポリリン酸のメリットです。
歯を保護するコーティング
ポリリン酸ホワイトニングでは、汚れをクリーニングするのと同時に歯をコーティングします。
歯をコーティングするメリットは3つあります。
1つ目はホワイトニングの際にしみにくいことです。
従来のホワイトニングでは、清掃剤や研磨剤が歯にダメージを与えそのままホワイトニングするため、歯の状態によってはしみてしまう原因になっていました。
しかし、ポリリン酸ホワイトニングでは研磨剤は使われませんし、ポリリン酸が歯の表面を保護してくれるためダメージを受けにくくしみが解消されるのが特徴です。
2つ目はホワイトニング後に食事制限があまりないことです。
歯が脱水症状になると、乾いたスポンジが水分を吸収するように、汚れの原因を吸収しやすくなるためホワイトニング後は半日〜1日ほど食事制限があります。
しかし、ポリリン酸ホワイトニングでは歯の表面をポリリン酸がコーティングしてくれるため歯を脱水症状にすることがないため、ホワイトニング後の食事制限も必要ありません。
3つ目は歯質の強化し自然な白さを維持できることです。
ポリリン酸によるコーティングは表面のエナメル質となって、歯を汚れから守ってくれるため自然な白さを維持することができます。
ポリリン酸ホワイトニングの特徴(整理)
ここまでお伝えした、ポリリン酸ホワイトニングと通常のホワイトニングの違いを整理して表にまとめます。
従来のホワイトニング | ポリリン酸ホワイトニング | |
成分 | 過酸化水素 | ポリリン酸 過酸化磯 |
漂白 | 過酸化水素 | 過酸化水素 |
クリーニング | 清掃剤 | ポリリン酸 (歯を傷つけない) |
マスキング | 過酸化水素 | 過酸化水素 |
コーティング | - | ポリリン酸 (痛み+色戻りの抑制) |
結論:ポリリン酸は過酸化水素と併用すべし!
先述したように、ポリリン酸だけではホワイトニング効果は不十分。
もし、「ポリリン酸」とついたサービスや商品でホワイトニング効果を最大限に揮するのであれば、過酸化水素との併用が欠かせません。
しかし、過酸化水素を使用できるのは歯科医院のみです。
そのため、ポリリン酸ホワイトニングを行なっている歯科医院でオフィスホワイトニングを受けることがおすすめです。
もちろん、ポリリン酸が含まれているホワイトニング専用の歯磨き粉もあります。
しかし、ポリリン酸のみだと汚れは落とせるのですが、過酸化水素を使用するオフィスホワイトニングと比較すると効果も即効性も落ちてしまいます。
本当に歯を白くしたいという場合は、歯科医院で受けられるオフィスホワイトニングへ行きましょう。
最近では、\3,000程度の低価格で受けられるオフィスホワイトニングもあります。
オフィスホワイトニングに興味がある方はこちらの記事も参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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参考:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00059419
参考:https://mbp-japan.com/ibaraki/tsukuba-occ/column/801435/
参考:https://musee-white.com/course/whitening/
参考:https://poririn-whitening.jp/aboutus
参考:http://www.whitening-tokyo.com/article/polyphosphoric-acid-whitening/